歯が抜けたまま放置していませんか?そのリスクと治療法

歯が抜けたまま女性の

武蔵小山駅から徒歩2分の歯医者「東海林歯科医院」の東海林です。

「1本くらい歯がなくても大丈夫」と思って放置していませんか?

実は、歯を失ったままにしておくと、見た目の問題だけでなく、噛み合わせが崩れるなど、歯の健康に悪影響を及ぼすことがあります。
またそれだけでなく、全身の健康にまで悪影響を及ぶこともあるのです。

今回は、歯を放置するリスクと代表的な治療法、その中でも注目されるインプラントについて詳しく解説します。

歯を失ったまま放置して起こるリスクとは

歯を失った場合には、歯があった部分を補う治療をしなくてはなりません。

しかし治療をせずに放置すると、お口の中や全身に様々な悪影響が起こります。

噛み合わせが崩れる

歯は互いに支え合って並んでいます。歯を失ったままにすると、失った歯の隣の歯が倒れてきたり、噛み合う歯が伸びてきたりして、全体の噛み合わせが崩れてしまいます。

1本でも失ったままにすると、周囲全体の歯並びや噛み合わせに影響が出てきます。

噛み合わせが崩れると、顎関節や他の歯にも負担がかかり、さらに歯を失うリスクが高くなります。

見た目に影響が出るほか、顎関節症になるリスクも高くなります。

食事や発音への影響

奥歯を失うと食べ物をしっかり咀嚼することができないため、消化器官への負担が大きくなります。それが長年続くことで、健康への悪影響も起こりやすくなります。

それから、前歯を失うと発音が不明瞭になりやすくなります。「サ行」や「タ行」などは発音しづらくなり、コミュニケーションに支障をきたします。

「噛めない」「話しづらい」というのは、ストレスも感じますし、生活の質を下げてしまいます。

見た目の変化

特に前歯の場合は、抜けたままにすると見た目の印象に直結するため、心理的に大きなストレスになりがちです。

また、歯が抜けると、抜けた場所によっては口元がへこんだり、ほうれい線が深くなったりして、顔全体が老けた印象になることがあります。

全身への健康リスク

噛む回数が減ることで脳への刺激が少なくなり、認知症リスクが高まるとの報告もあります。

また、噛めないことによる消化不良、偏った食生活などが生活習慣病にも影響することが考えられます。

歯を失ったときの治療法

歯を失った時の治療法は、大きく分けて次の3つがあります。

  • 入れ歯
  • ブリッジ
  • インプラント

歯を失った場合には、放置せず、これらの方法で失った歯の機能を補う必要があります。

それぞれの治療法の特徴を解説していきます。

入れ歯

入れ歯は、歯を失った場合に、比較的短期間で作成でき、保険が適用になることから費用も抑えられる治療法です。

部分入れ歯から総入れ歯まで幅広く対応できるため、多くの歯を失った方にも使われています。取り外し式になっており、部分入れ歯の場合は、残っている歯にバネを引っ掛けて固定します。

デメリットとしては、装着時の違和感を感じやすく、食事中に外れやすい、噛む力が弱いといった不便さがあげられます。また、噛む力が顎の骨に直接伝わらないため、長期的には顎の骨が痩せやすいという問題もあります。

ブリッジ

ブリッジは、両隣の健康な歯を削り※、その歯を土台にして、橋渡しをするように連結した被せ物を入れる方法です。

歯が無い部分にはダミーの歯が入ります。入れ歯よりも違和感が少なく、固定されているため食事の際もしっかり噛める点が魅力です。保険適用での治療が可能です。

デメリットは、周囲の健康な歯を大きく削らなければならないことです。支えとなる歯には負担がかかるため、寿命を縮めてしまう可能性が高くなります。

短期間で自然な仕上がりを求める方には選びやすい方法ですが、長期的な視点ではリスクも抱えている治療法です。
※失った歯の位置や状況によって、支台とする歯の位置も異なります。その場合は両隣とは限りません。

インプラント

顎の骨に直接人工歯根を埋め込み、その上に人工歯を装着する治療です。

天然の歯に近い噛み心地と見た目を得ることができます。また、失った歯の部分の独立した治療なので、周囲の歯を削る必要もなく、他の歯の健康を守ることができます。

しっかり噛めることで顎の骨も痩せにくく、長期的に安定して使えるのが特徴です。

保険適用にならないため、自費治療になりますが、しっかりとメンテナンスをすれば、長く快適に使い続けることができます。

なぜインプラントが選ばれているのか

インプラントが選ばれる理由を説明する歯科衛生士

インプラントは、近年多くの方に選ばれている治療法です。インプラントが選ばれる理由を具体的に解説していきます。

天然歯に近い噛み心地

顎の骨に直接人工歯根が固定されるので、硬い食べ物もしっかり噛むことができます。

天然の歯とほとんど変わらず使えるので、食事の満足感が大きく改善します。

周囲の歯を守れる

インプラントは、失った歯の部分の独立した治療です。

ブリッジのように支えとなる歯を削ったり、入れ歯のように支える固定源にしたりすることがないので、周囲の歯の健康を守ることができます。

見た目が自然で若々しい印象に

インプラントの人工歯部分である上部構造には、セラミックやジルコニアなどの人工歯が使われます。

これらは、天然歯とほとんど見分けがつかないほど自然な仕上がりになります。耐久性もあるため、長期的に自分の歯のように使用することができます。

長期的に安定して使える

インプラント治療で使われるチタン製の人工歯根やセラミック製の上部構造は、長期的に安定して使える素材です。

適切なケアを行えば、10年〜20年以上、しっかりと固定された状態で使用し続けることができます。

インプラント治療の具体的なポイント

インプラント治療のイメージ

インプラント治療はメリットの多い優れた治療法ですが、デメリットや注意するべきポイントがあります。

これからインプラント治療をお考えの方に知っておきて欲しいポイントを4つ紹介します。

費用の目安

インプラントは自費診療となるため、1本あたり30〜50万円前後が一般的です。入れ歯やブリッジに比べて高額になります。

その分、使用感・耐久性・審美性は非常に優れていますので、価値がある治療法だとも言えます。

外科処置が必要

インプラント体を埋め込むためには、外科処置が必要となります。大きな手術ではありませんが、身体的な負担があることは確かです。

全身疾患をお持ちの方は、施術できない場合もありますので、歯科医院でよく相談するようにしましょう。内科主治医との連携により治療が可能になることもあります。

治療期間

インプラント治療は、インプラント体が顎の骨としっかりと結合するのを待つ期間が必要になります。そのため手術から最終的な歯が入るまで、通常は3〜6ヶ月ほどかかります。

長期的な治療のなることを知っておきましょう。

骨の状態や症例によっては、即日で仮歯まで入れられる場合もありますので、事前に確認をしておくようにしましょう。

メンテナンスの重要性

インプラントは虫歯にはなりませんが、「インプラント周囲炎」という歯周病に似た病気にかかることがあります。インプラント周囲炎になり、進行すると、インプラントを除去しなくてはならなくなります。

長持ちさせるためには、毎日のセルフケア+定期的な歯科医院でのメンテナンスが欠かせません。

歯科衛生士によるクリーニングや噛み合わせのチェックを定期的に受けることで、トラブルを未然に防げます。

まとめ

歯を失ったまま放置すると、噛み合わせの崩れ、見た目の変化、全身の健康リスクなど、さまざまな悪影響が出てきます。

歯を失った場合の治療法には入れ歯・ブリッジ・インプラントがありますが、自分の歯に近い噛み心地や見た目、周囲の歯の健康維持を求めるならインプラントがおすすめです。

費用や治療期間はかかりますが、しっかり噛める喜びや長期的な安定性を考えると、大きなメリットがあります。歯を失ってしまった方は、そのままにせず、ぜひ歯科医院で相談してみましょう。