クリニック紹介

予防歯科

歯科医院に対する意識を変えたい

予防歯科

歯科医院は、どのような時に行く場所でしょうか。
おそらく多くの方が「歯が痛くなった時」「歯茎が腫れた時」「詰め物が取れた時」といった、何らかのトラブルが起きた時に足を運ぶ場所だとお考えのことと思います。
もちろん、それは間違いではありません。
しかし、私たちはその考え方を根本から変えていきたいと強く願っています。
歯科医院とは「お口のトラブルを治療する場所」から「そもそもトラブルが起きないように、健康を維持するために通う場所」へ。
武蔵小山で開院してから約100年。
祖父の代から三代にわたり、この地で数えきれないほどの患者様の歯を治療してまいりました。
その長い歴史の中で多くの歯を削り、神経を抜き、時には抜歯せざるを得なかった経験を重ねるたびに私たちの心の中に深く刻まれてきた想いがあります。
それは「予防こそが、最高の治療である」という揺るぎない確信です。
失われた歯は、二度と元には戻りません。
どんなに精巧な詰め物や被せ物も、生まれ持ったご自身の歯には敵わないのです。
皆様の大切な歯を一本でも多く、そして一日でも長く守り抜くための当院の「予防歯科」に対する考え方と、その具体的な取り組みについて詳しくお話しさせていただきます。

なぜ「予防」がこれほど重要なのか

「転ばぬ先の杖」という言葉があります。 問題が起きてから対処するのではなく、問題が起きないように前もって備えておくことの重要性を説いたことわざです。
お口の健康に関しても、まさしくこの考え方が当てはまります。

失ってからでは取り戻せない、歯の価値

一度虫歯になって削った歯は治療によって機能を取り戻すことはできても、決して元の健康な状態に戻るわけではありません。
治療とは、いわば人工物による「修復」であり歯そのものが再生したわけではないのです。
そして、一度治療した歯は残念ながら健康な歯に比べて再治療が必要になる可能性が高まります。
虫歯治療のページでもお話ししましたが「削って詰める」治療を繰り返すたびに、歯は少しずつ小さく、弱くなっていきます。
歯の寿命を縮める負の連鎖を断ち切る唯一の方法、それが「予防」なのです。

治療 すでに起きてしまった問題(マイナス)を、元の状態(ゼロ)に近づけるための作業
予防 健康な状態(ゼロ)を、この先もずっと維持し続けるための積極的な働きかけ

どちらが皆様の将来にとって価値あることか、その答えは明白であると私たちは考えます。

歯科医療先進国との意識の違い

ここで、少し海外に目を向けてみましょう。
スウェーデンなどの歯科医療先進国では歯科医院は「治療のために行く場所」ではなく「お口のクリーニングやチェックのために定期的に通う場所」という意識が国民に広く根付いています。
その結果、定期検診の受診率は80%を超え80歳になった時点で残っている自分の歯の平均本数は、日本人のそれを大きく上回っています。
この差は、決して持って生まれた歯の強さの違いではありません。
「歯の健康」に対する意識と習慣の違いが生み出した結果なのです。
日本でも、この「予防」という考え方は少しずつ広まってきてはいますがまだ「痛くなったら歯医者に行く」という方が多数派であるのが現状です。
私たちは、この武蔵小山の地から歯科医院の役割を未来のために変えていく先駆けとなりたい。
そして、地域の皆様が生涯にわたってご自身の歯で食事を楽しみ、心からの笑顔で語り合える毎日を送るためのお手伝いをしたいと心から願っています。

予防の大きなメリット

定期的に予防のための検診を受けることは、皆様の人生に3つの大きなメリットをもたらします。

身体的な負担の軽減

最大の価値は虫歯や歯周病による「痛み」や、治療に伴う「不快感」を経験する必要がなくなることです。
歯を削る音や振動に怯えることなく、リラックスした気持ちでお口の中がきれいになる心地よさを感じていただけます。

時間的な節約

虫歯や歯周病が重症化すると、治療のために何度も通院しなくてはなりません。
一方、予防のための定期検診は通常1回の通院で済み、処置にかかる時間も治療に比べてはるかに短時間です。
皆様の貴重な時間を治療ではなく、より豊かな活動のために使っていただきたいのです。

経済的な負担の軽減

「検診に毎回費用がかかるのは勿体ない」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、長期的な視点で見ればこれは全く逆です。
重度の虫歯や歯周病の治療、さらには歯を失った場合のインプラントや入れ歯の作製には高額な費用が必要となります。
定期的な検診とメンテナンスにかかる費用は将来的に必要となるかもしれない大きな治療費に比べれば、ごくわずかなものです。

予防の二本柱:「セルフケア」と「プロフェッショナルケア」

お口の健康を守るためには、二つのケアが不可欠です。

  • 患者様ご自身が毎日ご家庭で行う「セルフケア」
  • 私たち歯科の専門家が定期的に行う「プロフェッショナルケア」

この二つが車の両輪のように連携して初めて、虫歯や歯周病を効果的に予防することができるのです。

すべての基本となる「セルフケア」の質を高める

毎日の歯磨きは、予防の基本中の基本です。 しかし、「毎日磨いている」ことと「きちんと磨けている」ことは必ずしもイコールではありません。

ブラッシング指導

当院では、ただ「磨いてください」と言うだけでなくお一人ひとりのお口の状態や歯並びに合わせた、具体的な歯磨きの方法を丁寧にお伝えします。
染め出し液を使って磨き残しのある部分をご自身の目で確認していただき歯ブラシの選び方から、当てる角度、動かし方まで歯科衛生士が分かりやすくご指導します。

補助的清掃用具の重要性

実は、歯ブラシだけで落とせる歯の汚れは全体の60%程度だといわれています。
残りの40%は歯と歯の間や、歯と歯茎の境目といった歯ブラシの毛先が届きにくい場所に潜んでいます。
この磨き残しをなくすために絶対に必要となるのが「デンタルフロス」や「歯間ブラシ」といった補助的清掃用具です。
毎日の歯磨きにフロスや歯間ブラシを加えるひと手間が、虫歯や歯周病のリスクを劇的に減少させます。
当院では、その正しい使い方も実践的にご指導します。

セルフケアだけでは限界がある理由

では、毎日完璧に歯磨きができていれば歯科医院に通う必要はないのでしょうか。
答えは「いいえ」です。
どんなに丁寧にセルフケアを行っていても、それだけではどうしても限界があります。

バイオフィルムの存在

お口の中の細菌は歯の表面に「バイオフィルム」と呼ばれる、強力なバリアのような膜を形成します。
キッチンの排水溝のぬめりを想像していただくと分かりやすいかもしれません。
このバイオフィルムは非常に粘着性が高く、一度形成されてしまうと毎日の歯磨きだけでは完全に取り除くことができません。

歯石の形成

歯垢(プラーク)が除去されないまま長時間経過すると唾液中のミネラルと結びついて石のように硬くなった「歯石」に変化します。
歯石の表面はザラザラしているため、さらに歯垢が付着しやすくなるという悪循環を生みます。
そして、この歯石は歯ブラシでは絶対に除去不可能です。

プロにしかできない「プロフェッショナルケア」

ご家庭でのセルフケアでは取り除くことのできないバイオフィルムや歯石を専門的な知識と技術、そして専用の器具を用いて徹底的に除去すること。
それが、私たち歯科医院で行う「プロフェッショナルケア」の役割です。

東海林歯科が実践するプロフェッショナルケア

当院では患者様のお口を病気から守るため、様々な予防処置を行っています。
歯科医院を「治療の場」ではなく「健康を維持し、さらに向上させるための心地よい場」と感じていただけるような質の高いケアを心がけています。

専門家による徹底的な機械的歯面清掃「PMTC」

PMTCとは「Professional Mechanical Tooth Cleaning」の略で歯科医師や歯科衛生士といった専門家が、専用の機器を用いて歯の表面の汚れを徹底的に清掃・研磨する処置のことです。
毎日の歯磨きでは落としきれないバイオフィルムや、コーヒー・お茶などによる着色(ステイン)をきれいに取り除きます。

PMTCの具体的な流れ

1. お口の状態のチェック

まず、歯や歯茎の状態を詳しく診査します。

2. 染め出し

汚れが付着している部分を専用の液で染め出し、磨き残しがある場所を患者様ご自身の目で確認していただきます。

3. 歯面清掃・研磨

専用の柔らかいゴム製のカップやブラシに、フッ素が配合された研磨ペーストを付けて歯の表面を一本一本丁寧に磨き上げていきます。歯と歯の間や、歯と歯茎の境目など汚れが溜まりやすい場所も徹底的に清掃します。

4. 洗浄

お口の中を隅々まで洗浄し、取り除いた汚れを洗い流します。

PMTCのメリット

虫歯・歯周病予防

病気の原因となるバイオフィルムを破壊・除去することで、虫歯や歯周病のリスクを大幅に減少させます。

歯本来の白さと輝き

タバコのヤニや飲食物による着色を除去し、歯が本来持っている自然な白さと光沢を取り戻します。

歯質の強化

仕上げに用いる研磨ペーストにはフッ素が含まれており歯の表面のエナメル質を強化し、酸に溶けにくい丈夫な歯を作ります。

爽快感

処置後の歯の表面はツルツルになり、お口全体に何とも言えない爽快感が広がります。
この心地よさを求めて、定期的に通われる方も少なくありません。
PMTCには、歯を削るような痛みは全くありません。
むしろ、エステティックサロンでケアを受けるような感覚でリラックスして受けていただけます。

虫歯から歯を守る「フッ化物(フッ素)塗布」

フッ素は、歯の健康を守る上で非常に有効な自然元素です。
当院では定期検診の際に、高濃度のフッ素を歯の表面に直接塗布することをお勧めしています。

フッ素が虫歯を防ぐ3つの働き

再石灰化の促進

食事によって酸にさらされ、溶けかかってしまった歯の表面(エナメル質)の修復(再石灰化)を助ける働きがあります。

歯質の強化

歯の主成分であるハイドロキシアパタイトと結びつき、酸に対してより抵抗力の強いフルオロアパタイトという構造に変化させます。 これにより、歯そのものが虫歯になりにくくなります。

虫歯菌の活動抑制

虫歯菌が酸を作り出す働きを弱め、菌の活動を抑制します。
市販の歯磨き粉にもフッ素は配合されていますが安全性の観点からその濃度は低く抑えられています。
歯科医院で用いるフッ素は高濃度であり専門家の管理のもとで塗布することによって、より高い予防効果を発揮します。

お子様の歯を虫歯から守るために

お子様の歯の健康は、保護者の皆様にとって大きな関心事の一つでしょう。
将来にわたるお口の健康の土台は、この幼少期に築かれます。

乳歯の虫歯を軽視してはいけない理由

「乳歯はいずれ永久歯に生え変わるから、少しぐらい虫歯になっても大丈夫」

もし、そのようにお考えの方がいらっしゃいましたらそれは大きな誤解です。
乳歯の健康状態はその後に生えてくる永久歯に、そして顎全体の健全な発育に計り知れないほど大きな影響を及ぼします。

  • 乳歯の虫歯を放置すると、その下で育っている永久歯の質が悪くなったり正しい位置に生えてこられず歯並びが乱れる原因になったりします。
  • 虫歯で乳歯を早くに失ってしまうと両隣の歯が倒れ込んできて、永久歯が生えるためのスペースが不足してしまいます。
  • よく噛めない状態が続くと、顎の骨の正常な発育が妨げられることもあります。

お子様のための特別な予防処置

お子様の歯は大人に比べて歯質が弱く、非常に虫歯になりやすいという特徴があります。
当院ではお子様の大切な歯を守るために、特別な予防処置を行っています。

フッ素塗布

歯質の弱いお子様の歯にとって、フッ素塗布は虫歯予防に絶大な効果を発揮します。
定期的に塗布することで、丈夫で虫歯に負けない歯を育てます。

シーラント

特に虫歯になりやすいのが、生えたての永久歯の奥歯です。
奥歯の噛む面には複雑で深い溝があり、そこに食べかすが詰まって虫歯になることが非常に多いのです。
シーラントはこの溝をあらかじめフッ素を含んだ樹脂で埋めてしまい、汚れが溜まるのを防ぐ処置です。
歯を削ることはなく、痛みも全くありません。

「歯医者さん好き」な子に育てるために

お子様にとって最も不幸なことは歯科医院で「痛い」「怖い」という経験をしてしまい、歯科医院そのものが嫌いな場所になってしまうことです。
そうなると大人になっても歯科医院から足が遠のき、お口のトラブルを放置してしまう原因になりかねません。
私たちはお子様が「歯医者さんは、歯をきれいにしてもらって気持ちよくなる場所」だと感じてくれることを目指しています。
そのためにも虫歯になって痛い思いをする前に、予防のために楽しく通う習慣を身につけることが何よりも大切です。
当院では決して無理強いはせず、お子様一人ひとりのペースに合わせてゆっくりと歯科医院の雰囲気に慣れてもらうことから始めます。

健やかな毎日と、輝く未来のために

健やかな毎日と、輝く未来のために

予防歯科は、単に虫歯や歯周病を防ぐだけのものではありません。
生涯にわたって食事を美味しく味わい、大切な人と気兼ねなく語らい心からの笑顔でいられる。
そんな豊かで健やかな人生を送るための、未来への自己投資であると私たちは考えています。
武蔵小山の地で、地域の皆様の健康に寄り添い続けて約100年。
祖父の代から受け継がれてきた私たちの使命は、これからも変わりません。
それは高度な治療技術を追求し続けることと同時に、それ以上に「そもそも治療が必要ない健康な状態」を皆様と共に作り、守り続けていくことです。
お口の健康を守るパートナーとして、どうぞお気軽に当院の扉を叩いてください。
私たちが、皆様の輝く未来を全力でサポートします。