骨粗鬆症でも歯科治療はできる?知っておきたい注意点を解説!

武蔵小山駅から徒歩2分の歯医者「東海林歯科医院」の東海林です。

骨粗鬆症をお持ちの方は、歯科治療に不安がある方もいらっしゃいます。

実際に現場でも、「骨粗鬆症と診断されたけど、歯医者で治療は受けても大丈夫?」「歯を抜けなくなるって聞いたことがあるけど本当?」などの不安の声を聞くことがあります。

結論から言うと、歯科治療は骨粗鬆症があっても受診することができます。
ただし、安全に治療を進めるためには、いくつか知っておきたいポイントがあります。

今回は、骨粗鬆症と歯科治療の関係について、詳しく解説していきます。

骨粗鬆症とは

背骨

骨粗鬆症という病気を聞いたことのある方は多いのではないでしょうか。

骨粗鬆症は、骨の量(骨密度)が減り、骨がもろくなってしまう病気です。
転んだだけでも骨折しやすくなるのが特徴で、特に背骨・太ももの付け根・手首などに起こりやすいと言われています。

骨粗鬆症は、初めは自覚症状がほとんどないため、「気づかないうちに進行していた」というケースも多いです。身長の低下や、背中が丸くなる症状、骨折が起きて気が付くことが多いです。

更年期以降の女性に多く、ステロイド薬を長期間使用している方や運動不足・栄養不足が続いている方も注意が必要です。
骨密度検査により、早期に発見ができます。気になることがあれば、早めに整形外科を受診することが大切です。

骨粗鬆症とお口の中との関わりについて

口を指さす女性

骨粗鬆症というと、背骨や足の骨をイメージする事が多いかもしれませんが、お口の中の骨とも関わりがあります。歯を支えている顎の骨も全身の骨の一部なので、影響があるのです。

骨粗鬆症になると、顎の骨の骨密度も低下します。
歯は、顎の骨にしっかり支えられて初めて安定しますので、骨密度が低下すると、歯を支える力が弱くなります。
抜歯後の治癒に時間がかかったり、歯周病が進行しやすくなったりすることがあります。
ですから外科治療をする際に十分に注意する必要があります。また、歯周病の予防が大切になります。

骨粗鬆症の方が歯科治療を受ける際の注意点

骨粗鬆症でも、問題なく歯科治療を受けることができます。
ただし、治療内容によっては注意するべき点がありますので、知っておきましょう。

抜歯はできる?

多くの場合、骨粗鬆症があっても抜歯は可能です。
ただし安全に治療を進めるために、丁寧に確認しながら治療を進めていきます。

レントゲンや必要に応じてCTで、骨の状態をしっかり確認してから行います。
そして骨粗鬆症のお薬を服用しているかどうか、そして薬の種類や服用期間の確認が重要です。一部の薬では、抜歯などの外科処置のあとに治りが遅くなるリスクが知られています。

場合によっては、無理に抜歯しない方が良いこともあります。
抜歯の緊急性なども考慮しながら治療計画を立てて進めます。

骨粗鬆症だからといって抜歯ができないというわけではありません。
お薬の服用状況など、必要な情報をきちんと確認し、無理のない方法を選ぶことで、安全に治療を進められるケースが多いです。
薬を飲んでいる方は、早めに相談していただくと安心です。

インプラント治療はできる?

インプラント治療は顎の骨に人工の歯根を埋め込む治療のため、骨量・骨質の状態が大切です。骨粗鬆症だと骨密度が少ないので、インプラントができない可能性が多い、「絶対にできない」とは言い切れません。

CT撮影などで骨の状態を詳しく確認し、場合によっては治療方法を工夫することで対応できるケースもありますので、諦めずにご相談ください。

骨粗鬆症の薬と歯科治療の関係

歯科治療の様子

骨粗鬆症治療では、骨を強くするための薬が使われますが、歯科治療への影響が大きいものがあるので注意しなくてはなりません。
ビスフォスフォネート系の治療薬(BP製剤)やデノスバブ(注射)などで、まれに「顎骨壊死(がっこつえし)」と呼ばれる副作用が報告されています。

抜歯などの外科処置において、顎の骨の治りが悪くなります。
顎骨壊死が起こる頻度は非常に低いですが、リスクを知っておくことが大切です。歯科医師には、必ず飲んでいる薬を伝えるようにしましょう。

骨粗鬆症の方の口腔ケア

骨粗鬆症は、できるだけ歯を抜かずにすむように、日頃からむし歯や歯周病を予防していくことが大切です。

歯周病予防が将来の歯を守る

歯周病は、歯ぐきだけでなく歯を支える骨が少しずつ溶けていく病気です。
骨粗鬆症の方は、もともと骨の量や質が低下しやすいため、歯周病が進行すると歯を支えきれなくなり、抜歯が必要になる可能性が高まります。

歯周病は初期の段階では痛みがほとんどなく、気づかないうちに進行してしまうことが多い病気です。ですから、歯周病は進行する前に気がつき、予防をすることが大切です。

毎日のセルフケアに加えて、歯科医院での定期検診・プロケアを受けるようにしましょう。

定期検診とプロケアの重要性

歯科医院で定期検診を受けることで、見た目だけではわからないトラブルを早い段階で見つけることができます。

歯科医院ではまず、歯周ポケットのチェックを行い、歯ぐきの中で炎症が進んでいないか、骨の状態に変化がないかを確認します。
そして歯石除去や、歯ブラシでは落としきれない汚れを取り除き、歯周病の原因となる細菌の増殖を防ぎます。

また、噛み合わせの確認も行います。噛む力が一部の歯に集中すると、歯や顎の骨に過剰な負担がかかり、トラブルの原因になることがあります。

定期的に検診を受けることで、むし歯や歯周病を中心とした「抜歯につながるリスク」を早い段階で減らすことが可能になります。

骨粗鬆症がある方が歯を長く健康に保つためには、「痛くなってから」歯科医院に通うのではなく、問題が起こる前に予防をしていくことが大切になります。

よくある質問

Q. 骨粗鬆症だとインプラントは絶対にできませんか?
A. いいえ。骨粗鬆症があるからといって、必ずしもインプラントができないわけではありません。
インプラント治療が可能かどうかは、顎の骨の量や質、全身の健康状態、そして現在の治療内容を総合的に見て判断します。

歯科では、CT撮影などを用いて顎の骨の状態を詳しく確認し、インプラントを支える力が十分にあるかを評価します。

また、骨粗鬆症で内科や整形外科に通院されている場合は、主治医の先生と連携を取り、服用しているお薬や全身状態について情報共有を行うことで、より安全な治療計画を立てることができます。

ケースによっては、治療方法を工夫したり、別の選択肢をご提案したりすることもありますが、「骨粗鬆症=インプラントは不可能」と決めつける必要はありません。まずは現状を正確に知ることが大切です。

Q. 骨粗鬆症の薬を飲んでいますが、抜歯は危険ですか?
A. 骨粗鬆症の治療薬の中には、抜歯などの外科処置のあとに、顎骨壊死になるリスクが報告されています。ただし、この副作用は非常にまれで、すべての方に起こるわけではありません。

歯科医院では、服用している薬の名前や服用期間、これまでの治療経過を確認したうえで、抜歯が必要かどうか、タイミングはどうするか、慎重に判断します。

場合によっては、内科や整形外科の主治医の先生と相談しながら治療計画を立てることもあります。自己判断で薬を中断したり、歯科に伝えずに治療を受けたりすることはやめるようにしてください。