【保存版】子どもの仕上げ磨き完全ガイド|始める時期・楽しく続けるコツ・NG習慣

武蔵小山駅から徒歩2分の歯医者「東海林歯科医院」の東海林です。

「毎日がんばって仕上げ磨きをしているのに、子どもが嫌がって大変…」
「いつまで続ければいいの?」

そんな悩みを抱えていませんか?

子どもの仕上げ磨きは「いつから?」「どこを重点的に?」「いつ卒業できる?」など、疑問が尽きないもの。

実は乳歯や生えたての永久歯は大人の歯よりもずっとむし歯になりやすく、仕上げ磨きはとても重要です。

この記事では、よくある質問に答えながら、仕上げ磨きの基本や楽しく続けるコツ、やってはいけない注意点まで分かりやすく解説します。

歯ブラシを持つ女の子

むし歯ゼロを目指す!歯が生える前からはじめる仕上げ磨きのコツ

仕上げ磨きは、歯が生える前から準備を始めることが大切です。まずは頬や口に触れることに慣れさせるところからスタートします。突き刺し防止用の子ども用歯ブラシを歯固めのように持たせて、歯ブラシ自体に慣れさせておくのも効果的です。

赤ちゃんの頃から口の中に触れることに慣れさせておくと、成長してからの仕上げ磨きがスムーズになります。乳歯は3歳前後で20本がそろい、6歳ごろからは永久歯への生え替わりが始まります。乳歯や生えたての永久歯はやわらかく、特に奥歯の6歳臼歯は溝が深いため、むし歯になりやすいのが特徴です。そのため、丁寧なケアが必要です。

仕上げ磨きを行う期間は、子どもが自分でしっかり磨けるようになる10歳ごろまでが目安です。乳歯や生えたばかりの永久歯は、手先の器用さが未熟なため奥歯や歯間の汚れを完全に取りきれません。親が仕上げ磨きをしながら最終チェックをすることで、むし歯のリスクを大幅に減らせます。

虫歯になった女の子

磨くタイミングは基本的に寝る前が最も重要です。夜は唾液の分泌が減るため、歯に残った汚れが酸によって溶かされやすくなります。可能であれば朝食後に軽く磨くと、より清潔な状態を保てます。磨く場所は、奥歯の噛む面や歯と歯ぐきの境目、歯と歯の間など、汚れが残りやすい部分を意識するとよいでしょう。

姿勢も工夫すると磨きやすくなります。乳幼児期は親が床に座って子どもを膝の上に寝かせる「膝枕スタイル」が安定しており、口全体を見渡せます。3〜4歳以降は、ソファやベッドで寝かせたり、椅子に座らせて後ろから磨いたりと、家庭環境に合わせて工夫してみてください。これらも楽しく進めるコツがあるので後ほどご紹介します。

ぬいぐるみに歯磨きをしてあげる女の子

仕上げ磨きQ&A|親が知りたいポイントまとめ

①歯の生える時期

一般的に生後6〜8か月ごろに下の前歯が生え始め、3歳前後で20本の乳歯が生えそろいます。永久歯は6歳前後から生え替わりがスタート。特に「6歳臼歯」は溝が深くむし歯になりやすいので要注意です。

②何歳まで仕上げ磨きが必要?

多くの歯科医・歯科衛生士が推奨するのは「10歳ごろまで」。この年齢までは手指の巧緻性がまだ未熟で、奥歯や歯間のプラーク(歯垢)を取りきれないためです。永久歯が生えそろい、きちんと自分で磨けるようになるまで、必ず大人が最終チェックをしてあげましょう。

③子どもが歯磨きを嫌がります

歯磨き嫌いの子どもでも、工夫次第で楽しく続けられます。まず、親が楽しそうに磨いている姿を見せたり、鏡の前で一緒に磨いたりすることで、まねっこ遊びとして取り入れられます。短時間で無理なく磨くこともポイントです。最初は1分程度から始め、慣れたら少しずつ時間を延ばしていくとよいでしょう。

イヤイヤ卒業!子どもが歯磨きを好きになる秘訣8選

子どもが歯磨きを嫌がるのは自然なことです。無理やり磨くよりも「遊びの一環」として取り入れるほうが、習慣化しやすくなります。

①自分から歯磨きしたくなる環境づくり

親が楽しそうに磨いている姿を見せる、親子で一緒に鏡の前に立つなど「見せる工夫」が効果的です。フロスなども親が使っていると子どもも一緒にやりたがります。親の背中を見せることが一番子どもには効くのかもしれません。

子供用の歯ブラシ

②3歳までは食生活コントロールも重要

この年齢では上手に磨くことが難しいので、むし歯菌の餌となる糖質を控えることが最大の予防策になります。おやつは回数や時間を決めて、ダラダラ食べを避けましょう。

③短時間で無理しない

嫌がる子に長時間ブラッシングすると「歯磨き=イヤなこと」とインプットされてしまいます。まずは1分程度、慣れてきたら少しずつ時間を延ばすなど段階的に。

④痛みは絶対に与えない

歯ブラシを強く当てない、頬や舌の裏など粘膜への配慮を忘れないことが大切です。「痛くない」という安心感があってこそ、子どもは口を開けてくれます。

⑤道具をうまく使う

年齢に合った歯ブラシ、フッ素入り歯磨き剤、フロスやタフトブラシを組み合わせると効率的に磨けます。特にタフトブラシは奥歯の溝や前歯の裏などピンポイントケアに便利です。また、歯ブラシを子どもの好きなキャラクターにしたり、歯磨き粉のフレーバーの種類を増やして選んでもらったりも楽しくするコツです。

⑥視覚・聴覚で楽しさを演出

絵本や歌を使って「歯磨きは楽しいもの」と刷り込みます。歯ブラシをロケットや列車に見立てて「お口に入りまーす!」とごっこ遊びをしても楽しいです。

⑦たくさんほめる

「上手にできたね!」「ピカピカになったね!」とポジティブな声かけをすることで自己肯定感も育ちます。仕上げ磨き後に鏡を見せて「きれいになったね」と褒めるのもおすすめです。

⑧家族で楽しく

大人同士が仕上げ磨きし合う姿を見せたり、パパ・ママが交代で磨いたりすると「歯磨きは家族の習慣」として定着します。「今日はパパに磨いてもらう?ママにする?」など選んでもらってもよいでしょう。兄弟姉妹がいる場合は「まねっこ磨き」も効果的です。ぬいぐるみなども使えます。「床で磨く?ソファで磨く?」など普段と違うシチュエーションにするのもワクワク感が出ます。”自分で選ばせる”のがコツなのかもしれませんね。

NG行動に注意!子どもの歯磨きでやってはいけないこと

仕上げ磨きをする様子

①強い力で磨く

子どもの歯や歯ぐきは大人より柔らかくデリケートです。力を入れすぎると歯ぐきを傷つけ、逆に歯磨きを嫌がる原因になります。ペンを持つように歯ブラシを握り、毛先だけを軽く当てるのが基本です。また、小帯と呼ばれる筋に注意します。上下の唇や舌の裏側、頬の辺りにあるため、指で優しくカバーしてあげてください。口角を引っ張るのも痛いので、内側から優しく押し広げるようにします。

②歯磨き粉の使いすぎ

フッ素の効果は高いものの、子どもの体重では使いすぎると危険なこともあります。フッ素の濃度や量は年齢ごとで変わってくるので、確認してみてください。

歯磨き粉の使用目安

③歯ブラシをくわえたまま歩く

喉の突き刺し事故が多発しています。転倒時に口腔内をケガするリスクが高いため、必ず座って磨くことが鉄則です。磨きながら遊ばせない、走らせないようにしましょう。

親子で楽しく歯を守るために|記事のまとめ

仕上げ磨きは、子どものむし歯予防に欠かせないだけでなく、親子のコミュニケーションの時間でもあります。

歯が1本でも生えたらスタートし、10歳ごろまでは大人の仕上げ磨き+チェックを継続するのが理想です。

嫌がるときは無理をせず、遊び感覚・見せる工夫・道具の活用で「歯磨きって楽しい!」と思える習慣にしていってみてくださいね。